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i-Construction 2.0 に対応した無人化施工に初挑戦。手持ちの建機を活用して自動化を実現。

木下建設株式会社

導入の背景と効果

課題
  • 国土交通省が推進する ICT 施工の流れへの対応が求められていた
  • 無人化施工への取り組みを検討していた
  • 手持ちの建機を活用した効率化の余地があった
決め手
  • i-Construction 2.0 に対応したソリューション
  • 既存建機への後付けで導入可能
  • 無人化施工の実現が可能
効果
  • 無人化施工を実現
  • ICT 施工の流れに対応
  • 手持ちの建機を活用した自動化を実現

【導入事例】「1人で建機3台」を操る未来の現場。無人化施工デモで見えた、省人化への確かな手応えと課題

初めての無人化施工デモ初日。徹底された安全対策と準備環境の中で行われたのは、1人のオペレーターがバックホウ、キャリアダンプ、そして投入機(ヨイショ投入くん)の3台を同時に操るという挑戦でした。オペレーターの高木氏と、現場を統括する塩路所長に、運用のリアルな感触と、本番までの道のりについて詳しくお話を伺いました。

1. オペレーター・高木氏へのインタビュー

「焦りはない」――1人で3台を動かす新感覚のオペレーション

ーー高木さん、デモ1日目の見学会、お疲れ様でした。準備の段階から見ていましたが、エリアの定義やカラーコーン、のぼりの設置など、皆さんが一致団結して気合を入れて準備されたのが伝わってきました。

オペレーター高木氏(以下、高木): はい、お疲れ様でした。

ーー今日は本番1日目でしたが、まず驚いたのが「1人で3台を動かしている」という点です。実際にやってみて、焦るような感覚なのか、それとも余裕があるのか、どう感じられていますか?

高木: 余裕は持っていますね。積み込みを遠隔操作で行って、キャリアダンプは自動ボタンで走らせます。その間、投入の方を確認したりできるので、まあ余裕はあります。

ーー有人のオペレーターさんが排土板で押す工程がありますが、あそこは連携しながら進めているのですか?

高木: そうですね。トランシーバーで「今からキャリー(キャリアダンプ)で持っていきます」と連絡を取り合っています。

ーー積み込みの際、カメラ映像が複数あると思いますが、特にどこを見て判断していますか?

高木: まずはバケットですくえる位置、そして積み込みの時に旋回してキャリーにぶつけないように、遠近感を確認できるカメラを見ています。 手順としては、先に正面の「すくうカメラ」を見て土をすくいます。「ちゃんと入ったかな」というのを見てから、キャリーに当たらないように「横からのカメラ」を確認して旋回・放出する、という流れですね。

ーーバケット何回分くらい積み込んでいますか?

高木: 今は4回入れています。4回入れ終わったら、次はキャリアダンプの開始ボタンを押します。

ーーキャリアダンプが走り出したら、あとは見ているだけですか?

高木: はい、見ているだけです。

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人と機械の「阿吽の呼吸」と、日々の改善

ーー投入機(ヨイショ投入くん)の動きについて教えてください。キャリアダンプが土を降ろした後、有人の重機との連携はどうなっていますか?

高木: キャリアダンプが土を降ろして元の場所に戻っていきますよね。その後、逃げていって「あそこが投入機だけになった時」に、有人のオペレーターさんが排土板で押すと決めています。

ーー都度「今押して」と指示するのではなく、あらかじめ打ち合わせをして、現場の判断で動いているんですね。

高木: そうです。いいタイミングで排土板で押してくれています。それを確認した後、投入機の開始ボタンを押しています。あとは粒径処理機も動いているので、投入機はずっと動いている状態です。そうしている間にキャリアダンプが戻ってくるので、また私が遠隔で積み込みを開始する。

ーーそうやってサイクルを回すことで、1人で3台を操れるわけですね。

高木: まあ、これで給料も3倍になったら嬉しいんですけどね(笑)。

ーー(笑)。とはいえ、いきなり3台操れるようになったわけではないと思います。投入機に関しては1ヶ月間運用されてきましたが、今回の西尾レントオールさんの2台(バックホウ・キャリア)に関しては、1週間前に入ってきてからの練習ですよね?

高木: そうですね、練習という練習はそんなにしていないです。1〜2日くらいですかね。事前に講習会に行っていたのもあると思いますが。

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タブレット一つで現場を「カイゼン」する

ーーこの1ヶ月間、投入機を毎日のように使われていたと思いますが、心折れそうなことはありませんでしたか?

高木: それはないです。やはり使っていく中で「良くなった」と感じながら改善して使っていたので。

ーー「改善」というのは、タブレットで調整していたということでしょうか?

高木: そうです。タブレットで、すくう位置の「立方体(動作範囲の定義)」の位置関係を自分で調整しました。前回のインタビューの時に課題だった、腕を目一杯伸ばした時の「止まる動作」はなくなりました。

ーーご自身で調整して解消されたんですね。

高木: はい、ちょこちょこやっていました。かなりいい位置に設定できたと思います。

ーーあと、ふるい機の周りも変わりましたね。前回はなかった板などが設置されていました。

高木: 旋回した時にパラパラとこぼれることがあったんです。粒径処理機なので、後ろからは100mmオーバーの石が出ます。それと混ざらないように板を設置しました。 さらに、その板のところに溜まっている土を落とすためにも、立方体の位置を毎日変えてみました。「ここをすくえば、ここの土がすべて落ちていく」というポイントを探って、調整しました。

ーー逆に、1ヶ月運用して難しかったことや、システムへの要望はありますか?

高木: 難しかったことは特にないですが、時間帯によって止まりがちなことがありますね。午前と午後で違いがあるようです。 あと、要望としてはタブレットの電池もちですね。昼に充電しないと1日もちません。だいたい4時間くらいでしょうか。もっとバッテリーもちが良いと助かります。 もう一つ、非常停止ボタンを小さくしてほしいです。ARAVさんのボタンは極めて大きいので(笑)、3台分のスイッチがあると場所を取ります。

ーー(ARAV): 非常停止ボタンが大きい問題ですね、確かに大きすぎます(笑)。次は小さいものを準備します。また、停止しがちな時間帯の原因究明も含めて、引き続きサポートさせていただきます。

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2. 現場統括・塩路所長へのインタビュー

1週間の工事ストップと、前日のトラブル解消

ーー塩路所長、今日はありがとうございました。初めての無人化施工とは思えないほど、エリア定義やポスターの準備など、設備が充実していて驚きました。社内ではどういった様子でこの日を迎えられたのでしょうか?

塩路所長: 先月ARAVさんに来ていただいて自動バックホウのセッティングをしたのですが、当初はここまで大掛かりにやる予定ではなかったんです。しかし、やはり「全体にデモをした方がいい」ということになり、結構前からいろいろと準備してきました。 実は今週、現場の進捗の方は全く動かさず、今日・明日のデモのために準備をしてきました。

ーー現場を止めてまで、入念に準備されたんですね。

塩路所長: 準備していく中でも、毎日のように何かの不具合がありました。キャリアダンプが調子良ければバックホウに不具合が出るとか、先週は全く機能しませんでしたし、今週の月曜日でもまだ調整をやっていました。

ーーそこまでギリギリだったとは…。

塩路所長: ようやく前日に大きなトラブルが解消されて、一連の流れでスムーズに動けるようになったんです。なので正直、今日どうなるのかなとずっと不安に思っていました。1台だけじゃなく、2台目、3台目と無人化機械を入れると、その分ご苦労がありましたね。

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「有人には勝てない」現実と、「省人化」という確実な成果

ーー実際のデモを見て、見学者の方々はかなり驚き、満足されているように見えました。塩路所長のもとにはどういった声が届いていますか?

塩路所長: 思った以上に皆さん興味を持ってくれましたね。正直、そこまで関心がないかと思っていましたが、意外と関心を示してくれて、ものすごく有意義な時間になったのかなと思っています。操作室で運転している時も、かなり前のめりで、建機が動き出すと釘付けになっていました。

ーー今後、近畿地方整備局としてもこうした技術に力を入れていく流れになるのでしょうか?

塩路所長: 東京の方で「i-Construction 2.0」を推し進めているので、流れ的に当然、近畿地方整備局や和歌山河川国道事務所としても、どんどんやっていかないと普及もしないと思います。 ただ、実際やってみて、今は正直、問題点だらけだと思います。

ーー具体的にはどのあたりでしょうか?

塩路所長: まだまだ有人施工には勝てません。速度と安定感ですね。止まってしまう時間帯もあれば、動いている時間帯であっても人よりは遅い。1台1台の能力を見ると、当然有人には劣っています。 しかし、「1人で3台を動かせる」という点においては、間違いなく省人化は図れていると思います。

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残りの工期で見据える「進化」

ーー以前、「工事期間全体でやることに意味がある」とおっしゃっていたのが印象的でした。ここから工期が終わる5ヶ月目まで、どういった形で進めていく展望をお持ちですか?

塩路所長: 自動バックホウに関しては、オペレーターの高木さんも試行錯誤しながら日々やってくれています。初めて操作した時からは随分上達しましたし、いろいろ微調整を加えて、より良くしてくれています。 最初の1週目の動きよりもどんどん良くなっているので、これから先、さらに良くなると希望を持っています。

ーー我々メーカー側は建機には詳しくても、工事の流れや動きについては素人です。現場の有人施工のノウハウを調整に落とし込んでいただけるのは、素晴らしいスキルだと感じています。

塩路所長: ありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします。

以下からインタビュー動画フル版をご覧頂けます。

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