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山頂の砕石プラントで原石ホッパー投入を自動化。過酷な環境下での省人化・安全性向上を実現。

株式会社ニノ倉開発

導入の背景と効果

課題
  • 山頂に位置する砕石場という過酷な環境での作業負荷
  • 原石のホッパー投入作業の効率化が課題だった
  • 省人化と安全性向上の両立が求められていた
決め手
  • 過酷な環境下でも対応可能なソリューション
  • ホッパー投入の自動化ニーズに合致
  • 砕石プラントでの適用実績
効果
  • 過酷な環境下での省人化を実現
  • 安全性の向上
  • 原石ホッパー投入作業の自動化

【導入事例】5年前からの悲願、そして「無人化」へ。現場実証で見えた課題と、建機自動化の未来図

CSPI(建設・測量生産性向上展)での出会いから5年以上。遠隔操作の黎明期からARAVの技術に注目し、業界の未来を見据えてきたパートナー企業様。今回の現場実証では、通信環境の構築から掘削動作の細かな挙動に至るまで、徹底的な検証が行われました。現場の最前線で何が起き、どのような課題が見つかったのか。包み隠さず語っていただいた対談の記録です。

1. 遠隔操作から始まった「自動化」への道のり

ーーARAVとの出会いはかなり前だと伺っています。

小嶋専務: そうですね、5年以上前のCSPIの時でしたね。初めてARAVさんを知って、当時はまだ「遠隔操作」をやられていましたよね 。あの時は多分、ARAVさんだけだったんじゃないかな。まだコロナ禍よりも前の話ですよ 。

ーー当時から、こうした技術の必要性を感じていらっしゃったのですか?

小嶋専務: ええ。この業界には絶対、こういう技術が必要になるなと直感しました 。その後、数年経って今年あたりはもう、皆さんが遠隔操作に取り組み始めていますよね。ARAVさんも遠隔はもちろんやられているんですが、さらにその先、数年前から「無人化もやろう」と掲げて動かれていた 。今年あたりはもう無人の技術をドーンと出されていて、遠隔のさらに先に進めば、こういう形(自動化)になってくるんだなと感じました 。

ーー遠隔操作と自動化、現場から見るとやはり違いますか?

小嶋専務: 遠隔操作は結局人間がやるものですから、ハンドスピードや視界といった人間の能力に依存します 。そこを突き詰めていく方向もありますが、意外と一般の方には分からない部分として、土木の現場とリサイクルの現場では、求めるものが全然違うということがあります 。それぞれの現場に合うのかな、合わないのかなと悩む部分はありましたね 。

ーー今回は、まず遠隔操作がきっかけだったと。

小嶋専務: はい、遠隔がきっかけです。今でも遠隔には非常に興味を持っています 。人を集めるのが大変な中で、極端な話、東京からこの山の機械を動かせるかもしれない 。それに、最悪の事故が起きて機械が廃車になったとしても、人は全く無傷で済む 。安全面でのメリットはすごく大きいですね 。

2. Starlinkが生んだ通信の安定性と、掘削のリアリティ

ーー今回の実証実験では、通信環境としてStarlink(スターリンク)を持ち込みました。

小嶋専務: 今回はStarlinkを持ち込ませてもらって、結果として通信は結構良好でしたね 。これなら十分に運用できるポテンシャルがあるなと思いました 。

ーー山間部の現場では、やはり通信が課題になることが多いですか?

小嶋専務: そうなんです。ドローン測量など、システム自体はあっても、結局みんなスマホの電波を使うことになる 。そうなると、「ここの採石場はいいけど、あっちに行くと圏外になっちゃう」ということが頻発します 。そこが一番の問題だったので、Starlinkのようにどこでも網羅できるようになれば、状況が変わるかなと期待していました 。結果、意外としっかり「救え」ましたね 。

ーー実際に機械を動かしてみて、掘削(すくう動作)の挙動はいかがでしたか?

小嶋専務: 最初は「平バケット」のような状態で、全然すくえなかったんですよ。土に刺さっていかない 。それですぐに連絡させてもらって、爪の横から食い込むように調整してもらいましたね 。

ーー機械の制御と、実際の土の形状との兼ね合いですね。

小嶋専務: そう、やっぱりすくえない時があるんです。今は、あえて横から食い込ませるように設定してあるじゃないですか 。平らな状態のところならすくえるのかもしれませんが、現場はそうではないので。 あと、アーム(ブーム)を下げる限界値の設定ですね。「ここで止めますよ」という設定 。タブレット上で赤いエリアが見えていて、その範囲内で動くようになっていますが、そのエリアをもう少し狭めるとか、山の中腹で止めるといった調整が必要だと感じました 。

ーー稼働中に少し「ホップ」してしまう現象もありました。

小嶋専務: やってる時に結構ホップが出ちゃったんですよね 。同じ場所ばかり掘ってしまって、10cm以上深くいっちゃったりとか 。あれは逆に、しっかり掘削するようにと思って、下の方まで設定しすぎていたイメージでしょうか 。

ARAV: そうですね。赤いエリア設定の中に「黄色いボール」が動いていて、それに対してどれくらい深くえぐるかという話になるのですが 、LiDAR(ライダー)センサーがここから山の斜面を見ています。自分で手前に山(土手)を作ってしまって、その影で窪みの先が見えなくなると、センサーが更新されずに「まだ土がある」と判断して、同じ場所を掘り続けてしまうんです 。

小嶋専務: なるほど、手前に山があるから見えないんですね 。人間なら見えますけど、センサーだとどうしても手前しか見えなくて、空振りしたり深掘りしたりしてしまうと 。

3. UI/UXへの要望:現場で求められる「調整」と「可視化」

ーー操作画面や設定についてはどう感じられましたか?

小嶋専務: 最初はタブレットすらなくて、PCでしか軌道設定ができない状態からのスタートでしたよね 。そこからタブレットを作っていただいて。ただ、「もっと細かく設定したい」というのが分かってきました 。 黄色いボールがある限りそこを掘ろうとするのであれば、その設定を現場の運用の中で編集できるような機能が欲しいですね 。今は社長がパソコンで設定しないとダメな状態なので 。

ーー安全機能、特に非常停止についてはどうでしょう?

小嶋専務: 無人で動くものは、人などを感知した時に止まる機能がないと、使う側からするとちょっと怖いですね 。今のARAVさんのシステムでも止まるようにはなっていますが、スイッチを押してから止まるまでの反応が、やっぱりちょっと遅いと感じることがあります 。 それと、「人が寄っちゃってるな」と思った時に、もっと直感的に止めたい。例えば、作業員がセンサー(タグ)のようなものをポケットに入れておいて、機械に近づいたら止まるとか 。

ーーウェアラブル端末のようなイメージですね。

小嶋専務: そうです。機械の反対側に体を逃せば止まるとか 。 あと、パトライト(回転灯)が見にくいんです。天気がいいと反射してしまって、赤く光っているのかどうかが分かりにくい 。非常停止ボタンも、もっと大きくて目立つものがあった方がいいかもしれません 。

ーーハードウェア面での細かい気づきは他にもありましたか?

小嶋専務: タブレットの電池が、15時半ぐらいで真っ赤になって止まることが多かったです 。ちょうど夕方の、仕事が終わる少し前で切れちゃう(笑) 。 あと、非常停止の銀色のアンテナと、通信用の白いアンテナが重なって設置されているのが気になりました 。一瞬でも通信が途切れると止まってしまう設定とのことですが、アンテナ同士が干渉しないようにもっと離すとか、通信断絶の判定に1〜2秒のバッファ(猶予)を持たせるとか、そういった改良は必要かなと思います 。

ARAV: バッファに関しては、回路の要望として既に入れていますので、今後はそういった意図しない停止はなくなると思います 。

小嶋専務: あと、停止した時に「なぜ止まったのか」をタブレットで見たいですね 。今は止まっているけど、離れた場所にいると障害物があるのかどうかも見えないので 。

4. 「教示」という選択肢と、これからの現場

ーー掘削の「質」についてはいかがでしょう。スピードと量、どちらが重要ですか?

小嶋専務: 例えばクラッシャー(破砕機)に投入する作業だと、破砕効率を維持するために「常に一定量を供給する」ことが求められます 。毎回まともにすくえていないと、供給が間に合わなくなったり、スピードが必要になったりします 。 今の自動運転の動きを見ていると、すくい上げた後に、もうちょっとその位置で真っ直ぐ引っ張ればいいのに、すぐに上げたがってしまう動きがある 。

ARAV: 現状、掘削モーション自体は固定なんですよね 。形状に合わせて変化できればいいのですが。

小嶋専務: 最初のイメージだと、自分が一度運転して「こういう風に掘るんだよ」と覚えさせて、それを繰り返す(ティーチング)のかなと思っていたんです 。現場としては、その方が設定も楽なんじゃないかなという気はします 。やっぱり、資格を持っているオペレーターの「動き」を再現したいですから 。

ーー非常に具体的なフィードバック、ありがとうございます。今回の実証実験の目的は達成できましたでしょうか?

ARAV: 今回はまさに「課題を洗い出すこと」が目的でしたので、本当に感謝しています。使っていただかないと、こうした具体的な課題も見えてきませんので 。

小嶋専務: 最初は「やっぱり無理です」って断られるのを覚悟してましたけどね(笑) 。 でも、慣れてくると楽ですよ 。実際に動いているのを見て、「一緒に働く未来」みたいなものが、ちょっと見えた感じがしました 。

以下からインタビュー動画フル版をご覧頂けます。

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